不動産の仕事をしていると、お客様からこんな言葉をよく聞きます。
「この家、条件はいいと思うんですけど…」
「正直、決めきれなくて」
「失敗したくないんです」
とても自然な気持ちだと思います。
家は人生で一番高い買い物ですし、
簡単にやり直しができるものでもありません。
だからこそ私は、
物件の話に入る前に、必ず「考え方」の話をするようにしています。
Contents
家探しで後悔する理由は、家そのものではないことが多い
これまで多くのご相談を受けてきましたが、
「明らかにダメな家を選んでしまった」というケースは、
実はあまり多くありません。
それよりも多いのは、
・条件は悪くなかった
・価格も想定内だった
・住めば大きな問題はない
それでも後から、
「もっと落ち着いて考えればよかった」
「何を基準に決めたのか、よく分からなくなった」
と感じてしまうケースです。
これは、
家が悪かったのではなく、選ぶときの基準が整理できていなかった
ということがほとんどです。
「いい物件ですね」と言う前に、やるべきことがある
不動産屋として、物件を紹介すること自体は簡単です。
立地、価格、間取り、設備。
どれも数字や写真で説明できます。
でも私は、最初から
「この家、いいですよ」とは言いません。
なぜなら、
その人にとって「いい家」かどうかは、まだ分からない段階
だからです。
何を一番大事にしたいのか。
どこなら妥協できるのか。
どんな暮らしをイメージしているのか。
ここが整理できていないまま物件を見ると、
判断は必ずブレてしまいます。
不安の正体は「情報不足」ではなく「整理不足」
家探しで感じる不安の多くは、
・会社名が気になる
・評判がバラバラで分からない
・比較しすぎて決められない
こういった形で表に出てきます。
でも実際には、
情報が足りないのではなく、
情報の置き場所が分からなくなっているだけ
という状態がほとんどです。
だから私は、
「もっと調べましょう」
ではなく、
「一度、考え方を整理しましょう」
とお伝えしています。
急がせない。でも、最後は背中を押すこともある
正直に言えば、
「今すぐ決めた方がいいですよ」と言った方が、
話は早く進みます。
でもそれで後悔してしまったら、意味がありません。
家探しは、
早く決めた人が正解なのではなく、
納得して決めた人が正解だと考えています。
だから私は、
・比較を止めません
・迷っている理由を一緒に整理します
・「今回は見送る」という判断も尊重します
ただ、実際には
何度も話し合い、整理し、
ご本人なりに納得されていても、
最後の最後で不安になる方はとても多いです。
特に、
ご家族を支える立場の方ほど、
「本当にこれでいいのか」という気持ちは強くなります。
そういう場面では、
私はただ待つだけではなく、
ここまで一緒に整理してきた内容をもう一度確認し、
「大丈夫ですよ」と背中を押すこともあります。
それは、
決断を急がせるためではなく、
一人で抱え込ませないためです。
私がこの視点でお話ししている理由
家は、あとから手を加えたり、
暮らし方を変えたりすることができます。
でも、
何を大事にして選んだのかが曖昧なまま決めてしまうと、
あとから「やっぱり違ったかも」と感じたときに、
気持ちの整理がつかなくなってしまいます。
だから私は、
「どの家が正解か」を決めるのではなく、
そのご家族にとって、何が一番大事なのか
そこを一緒に確認することを大切にしています。
立地なのか、価格なのか、間取りなのか、
それとも通勤や通学、将来の安心感なのか。
ご家族ごとに、答えは必ず違います。
条件や評判だけで判断するのではなく、
「自分たちは何を大切にしたいのか」がはっきりした状態で選ぶ。
そうして決めた家のほうが、
住み始めてからの満足度は結果的に高くなることが多いと感じています。
最後に
もし今、
「何を基準に考えればいいのか分からない」
「条件はいいのに、なぜか決めきれない」
そんな状態なら、
それは失敗のサインではありません。
この考え方が、
今の気持ちを整理するきっかけになり、
ご自身なりに納得できる判断につながれば、
それが何より大切なことだと考えています。
※会社名や評判が気になって不安な方は、
「〇〇建設って大丈夫?家選びで後悔しない考え方」も
参考にしてみてください。