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【中古物件の売買】インスペクションとは?プロが賢い見方を徹底解説
はじめに
「この中古物件、すごく気に入ったけど、
見えない部分に欠陥があったらどうしよう…」
中古物件の売買において、
買主様が最も不安に感じるのが「建物の状態」ではないでしょうか。
こんにちは!
足立区・下町エリアの不動産専門家、センチュリー21アイリンクスの飯島です。
その不安を「安心」に変えるための、
最も確実で、今や常識となりつつある手段が
「インスペクション(建物状況調査)」、いわば住宅の”健康診断”です。
この記事では、インスペクションとは何か、
そのメリットから、具体的な流れや費用、
そして最も重要な「調査結果の賢い見方と活かし方」まで、
不動産のプロとして徹底的に解説します。
インスペクション(建物状況調査)とは?
インスペクションとは、建築士などの専門家が、
第三者の客観的な立場で、建物の状態を診断することです。
具体的には、以下のような項目を調査します。
- 構造耐力上の安全性: 基礎や柱などの傾き、ひび割れ
- 雨漏り・水漏れ: 屋根、外壁、天井裏、水回りなど
- 住宅設備の状態: キッチン、浴室、トイレ、給湯器などの動作確認
2018年の法改正により、不動産会社は売主様・買主様に対して、
インスペクション制度の説明や、
実施する場合の斡旋(あっせん)を行うことが義務化されました。
これにより、中古物件取引の透明性は大きく向上しています。
【実例で解説】インスペクションでは、どこを・何を見るのか?
では、実際の調査ではどのようなことが分かるのでしょうか。
インスペクションの調査対象は、大きく分けて**「建物本体」と「住宅設備」**の2つです。
1. 建物本体の調査
建物の構造や雨漏りなど、
安全性と資産価値の根幹に関わる部分をチェックします。
まず、「どのような項目を調査するのか」が分かる、
調査項目の一覧表がこちらです。
例えば「シロアリ検査」だけでも、床下の湿気やカビ、基礎の状態まで、
プロが多角的にチェックしているのがお分かりいただけるかと思います。

そして、調査で発見された劣化箇所は、
「どこに、どのような不具合があるのか」
が分かるよう、
以下のように写真付きで具体的に報告されます。

2. 住宅設備の調査
キッチン、お風呂、トイレ、給湯器、エアコンといった、
日々の暮らしに欠かせない設備が正常に作動するかも、重要なチェック項目です。
まず、調査した全ての設備について、
保証の対象となる「適合」状態かどうかが、
以下のような**「判定結果一覧表」**で一目で分かります。

さらに、個別の設備についても、それぞれ詳細なレポートが作成されます。
「洗浄、すすぎ、乾燥は正常か(食洗機)」「点火は正常か(コンロ)」といった具体的な項目で、
一つひとつの動作状況が詳しく報告されるため、入居後の安心感が大きく高まります。

【最重要】調査結果の「賢い見方」と「本当の価値」
インスペクションの結果、「要是正」「要詳細調査」といった、
何らかの指摘事項が見つかることは、中古物件では決して珍しいことではありません。

ここで重要なのは、
「指摘があったから、この物件はダメだ」と短絡的に判断しないことです。
インスペクションの本当の価値は、
まさにこの「結果が出た後」にあります。
買主様にとっての「賢い判断材料」
一級建築士などの専門家が作成した客観的な報告書があることで、
- 不具合の具体的な状況が分かる
- 補修にどれくらいの費用がかかるか、目安が立てられる
- **「今すぐ直すべきか」「数年後で良いか」**といった、対応の緊急度が分かる
といった、冷静な判断材料が手に入ります。
それを元に、「補修費用分、価格交渉をする」
「この程度なら、自分でDIYしながら住もう」
「今回は購入を見送ろう」といった、
納得感のある決断ができるのです。
売主様にとっての「最高のお守り」
インスペクションは、売主様にとっても、
引き渡し後のトラブルを防ぐための「最高のお守り」になります。
事前に建物の状態を正確に把握し、
その調査結果を買主様にきちんと説明した上で契約することで、
後から「こんな不具合があるなんて聞いていなかった」と言われる将来のリスクを、
限りなくゼロに近づけることができます。
インスペクションの流れと費用
- 依頼から報告までの流れ
- 不動産会社を通じて、インスペクション事業者に依頼
- 専門家(建築士など)が現地で調査(立ち会いも可能)
- 写真付きの詳細な「報告書」で結果を確認
- 費用の目安 一般的な戸建ての場合、5万円~7万円程度が相場です。
この費用を売主様・買主様のどちらが負担するかは、
ケースバイケースで話し合って決めますが、
実務では売主側が負担していることが多いいです。
【重要】インスペクションと「住宅ローン控除」の関係
ご存知の通り、住宅ローン控除は税金が戻ってくる非常に大きな制度ですが、
中古物件の場合、登記上の新築日が昭和56年12月31日以前の「旧耐震」の物件は、
原則としてこの控除が利用できません。
しかし、その「旧耐震」の物件であっても、
インスペクションに合格して「既存住宅瑕疵保険」に加入すれば、
その保険付保証明書を使うことで、住宅ローン控除が利用できるようになるのです。
この知識があるかないかで、物件選びの選択肢と、最終的な総支払額が大きく変わってきます。
【アイリンクス独自の強み】保険に適合しない物件でも諦めない
しかし、古い物件の中には、インスペクションの結果、
残念ながら既存住宅瑕疵保険に適合しないケースもあります。
「それじゃあ、保証もローン控除も諦めるしかないのか…」 ご安心ください。
弊社では、そのような物件でも保証が付けられる、
独自の『住まいるサポートプレミアム21』という新サービスをご用意しています。
他社では取り扱いのない、この独自の保証制度があるからこそ、
私たちは、どんな物件でもお客様に安心してご提案できるのです。
詳しい内容は、こちらのマンガで分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
【→マンガで分かる!住まいるサポート21(瑕疵保険&瑕疵保証)】
まとめ
インスペクションは、中古物件を安心して売買するための、
もはや必須のプロセスです。
たとえ不適合な点が見つかったとしても、
それを事前に「知る」ことこそが、
買主様にとっても、売主様にとっても、
「後悔しない取引」を実現するための最も重要な鍵なのです。
私たちセンチュリー21 アイリンクスは、
インスペクションの手配から、報告書の分かりやすいご説明、
そしてその結果を踏まえた上での最適な交渉・ご提案まで、
お客様の安心な不動産取引をワンストップでサポートします。
▼足立区での具体的な中古物件探しはこちら
インスペクションの重要性をご理解いただけたら、
次はいよいよ具体的な物件探しです。
以下のまとめ記事で、それぞれの探し方の秘訣を詳しく解説しています。
【足立区 中古戸建て】後悔しない購入ガイド|プロが教える物件選びの秘訣】
【足立区中古マンション購入ガイド|価格相場・エリア別特徴・購入の注意点【2025年最新版】】